損害賠償請求権は相続される?
日常生活やビジネスの場において、他者の不当な言動によって不利益を被った際、その損害を金銭などで補填させるための法的な権利を損害賠償請求権と呼びます。
今回は損害賠償請求権が相続されるのかについて解説します。
損害賠償請求とは?
損害賠償請求は、大きく以下2つの場合に生じます。
不法行為に基づく損害賠償
不法行為とは、故意または過失によって他人の権利や利益を侵害する行為です。
たとえば、交通事故での負傷、暴力行為による負傷などが該当します。
被害者は、治療費や休業損害といった財産的な損害だけでなく、精神的な苦痛に対する慰謝料も請求することが可能です。
これらの損害は、加害者の行為と損害との間に因果関係が認められる範囲において認められます。
債務不履行による損害賠償
債務不履行とは、契約によって義務を負っている者が、正当な理由なくその義務を果たさない状況を指します。
たとえば、商品の代金を支払ったのに品物が届かない場合や、建物の建築を依頼したのに大幅に完成が遅れた場合などが含まれます。
信頼関係に基づく契約義務が果たされなかったことへの制裁としての側面も持っています。
損害賠償請求権は基本的に相続対象
損害賠償請求権は、その方が亡くなった際、相続人へと引き継がれます。
これは、損害賠償請求権も一種の財産権としての性質を持っているためです。
たとえ被害者本人が請求の手続きを開始する前に亡くなったとしても、その権利自体が消滅することはありません。
かつては、精神的苦痛に対する慰謝料を請求する権利については、本人固有の権利であるため相続されないという考え方もありました。
しかし、最高裁判所の判例により、慰謝料請求権も発生した瞬間に具体的な金銭債権となり、他の財産と同様に相続の対象となると判断されました。
したがって、相続人は、亡くなった家族の代わりに加害者に対して損害の賠償を求めることが可能です。
まとめ
今回は、損害賠償請求権の定義、および相続における取り扱いについて解説しました。
不当な侵害によって生じた権利は、次世代へと承継することができます。
しかし、請求を行うためには、当時の事実関係を証明する証拠の確保などが必要です。
相続において不安がある方は司法書士などの専門家にご相談ください。
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