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訴訟上の和解とは?流れやメリットなど

トラブルが起きた際に当事者同士の話し合いで解決しないときは、裁判所に訴訟を起こす場合もありますが、訴訟上で和解できることをご存じでしょうか。

この記事では、訴訟上の和解の意味や手続きの流れ、訴訟上の和解をするメリットについて解説します。

訴訟上の和解とは

訴訟上の和解とは、裁判官の判決によって裁判を終わらせるのではなく、裁判所が関与した状態で当事者同士が主張を譲歩し、お互いが合意して裁判を終わらせることです。

また、「訴訟上で和解した内容は調書に記載され、この調書は確定判決と同じ効力を持つ」という内容が民事訴訟法で定められています。

和解は、当事者のどちらか一方が申し出るケースもあれば、裁判官が和解案を提示する場合もあります。

訴訟上の和解までの流れ

訴訟上の和解は、裁判手続きの中であればいつでも行えます。

ここでは、一般的な訴訟を起こしてから終了するまでの流れを解説します。

 

  1. 訴訟を起こす場合は訴状を作成して裁判所に提出し、裁判官が訴状の内容に必要記載事項が記載されているかなどを審査します。
    必要記載事項は以下の通りです。

 

  • 原告・被告を特定できる当事者の表示
  • 何を求めて審判するのかという訴えの内容
  • 請求の原因となる権利関係と発生原因の事実

 

  1. 審査の結果、裁判長が訴状の受理を認めた場合は、訴状は副本(複製された訴状)が被告に対して送達されます。
  2. 送達されるときには、第1回の口頭弁論期日を定め、原告・被告の双方を裁判所に呼び出します。
  3. その後、裁判所は当事者間の争点や証拠の整理を行い、証人尋問が必要な場合は該当者の証拠調べなどを行います。
  4. 口頭弁論期日の当日は裁判長の指揮の下、原告・被告の口頭弁論が行われます。
  5. 口頭弁論や証拠などを基に裁判官が判決を下し、訴訟は終了します。

訴訟上の和解を行うタイミングとは

訴訟上の和解は、主に以下のタイミングに行われます。

 

  • 裁判が始まって間もないとき
  • 原告・被告の主張や反論が出そろったとき
  • 証人尋問が行われたとき
  • 口頭弁論が終わった時点で裁判官から和解案を提示されたとき

 

訴訟上の和解は、当事者から申し出て和解するケースより、裁判官から和解案の提示があったときに訴訟上の和解を行う場合が多いようです。

訴訟上の和解をするメリット

訴訟上の和解をするメリットは主に以下の4つであり、それぞれ詳しくみていきましょう。

 

  • 争いを早く解決できる
  • 敗訴するリスクを軽減できる
  • 柔軟に対応できる
  • 相手が和解内容を履行しやすい

争いを早く解決できる

訴訟上の和解を行い、譲歩してお互いが合意できれば争いを早く解決できるメリットがあります。

裁判官から判決を言い渡されるのは、基本的に口頭弁論が終わってから2カ月以内です。

また、判決内容によっては、被告から不服を申し立てられて上訴されるかもしれません。

上訴されると上級審でさらに裁判が長引く恐れがあり、時間や費用などの負担も増える可能性があります。

敗訴するリスクを軽減できる

訴訟上の和解をすれば、被告に対して譲歩する必要はありますが、敗訴するリスクは軽減できます。

訴訟を起こしたからと言っても、必ず勝訴するとは限りません。

争点に必要な証拠が不十分な場合や口頭弁論の内容で不利になったときなど、裁判官の判決によっては敗訴することもあります。

柔軟に対応できる

訴訟上の和解は、当事者の双方にとって柔軟に対応できるメリットがあります。

裁判の判決は、争点に必要な証拠に応じて勝つか負けるかのどちらかです。

判決前に訴訟上の和解をすれば、お互いの言い分を汲み取ることもできるので、判決では対応できない争点以外の部分も柔軟に対応できます。

訴訟上の和解は、言い方を変えれば勝つこともなければ、負けることもないと言えます。

相手が和解内容を履行しやすい

裁判官の判決内容によっては被告が履行しない可能性があり、その場合は強制執行などの手続きを行う必要があります。

訴訟上の和解を行えば、原告も争点に対して譲歩するので、和解内容によっては被告も履行しやすくなる可能性があります。

まとめ

今回は、訴訟上の和解の意味や手続きの流れ、訴訟上の和解をするメリットについて解説しました。

訴訟上の和解は裁判手続きの中であればいつでもできるため、状況によって敗訴しそうな場合などは訴訟上の和解を検討する必要もあります。

トラブルにおいて話し合いで解決しないと悩んでいる場合は、法務大臣の認定を受けた司法書士に相談することをおすすめします。

認定された司法書士であれば、簡易裁判所で行われる140万円以下の民事事件などに対応できるので適切なサポートやアドバイスをもらうことも可能です。

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伊藤 彰英Akihide Ito

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