相続登記手続は自分でできる?流れや注意点も併せて解説
相続した遺産に不動産が含まれていた場合、自分で相続登記の手続きをしたい方もいらっしゃると思います。
この記事では、相続手続きは自分でできるのかという疑問や手続きの流れなどについて解説します。
相続登記とは
相続登記とは、不動産を相続した場合に不動産の名義を被相続人から相続人に変更する手続きです。
2024年4月1日から相続登記は義務化されており、施行前に発生した相続により取得した不動産も、義務化の対象です。
猶予期間は施行後に相続が発生した場合には、自己に相続が発生し不動産を取得できることを知った日から3年、施行前は2024年4月1日から3年以内に行う必要があります。
(参考先:東京法務局)
相続登記は自分でできるのか?
相続登記は自分で手続きすることも可能ですが、以下の2つのケースを除いては登記の専門家でもある司法書士に依頼することをおすすめします。
- 不動産を単独で取得する場合
- 役所や法務局と対応する時間を作れる場合
相続人が配偶者と子ども、もしくは子どもだけの場合であれば、必要書類の収集や書類作成もスムーズに行えます。
しかし、相続人の中に代襲相続人がいたり、相続した不動産名義が二世代前の直系尊属だったりする場合などには、必要書類の収集や書類作成なども複雑になり、手続きを自分で行うのは大変です。
また、役所や法務局の窓口は平日の8時30分頃から17時15分頃までしか対応しておらず、この時間帯に訪問しなければ対応してもらえません。
また、聞き慣れない専門用語や書類の記載事項などを理解する必要があり、書類作成時に不備があればやり直しです。
やり直すたびに法務局に通うことになるので、ある程度時間に融通の利く方でなければ自分で手続きすることは困難です。
相続登記手続きの流れとは
相続登記手続きの流れを解説します。
手続きの流れ
相続登記の手続きは以下の順番で行います。
- 必要書類を収集する
- 相続人を調査する
- 相続する不動産を特定する
- 申請書を作成する
- 法務局へ相続登記を申請する
各項目について解説します。
相続登記の手続きを始める前準備として、相続人確定や不動産の特定、登記申請に必要な書類を役場などで収集します。
遺産分割協議(相続人同士で遺産を分割する話し合い)をした場合は、遺産分割協議書を作成する必要があるので注意してください。
相続人の調査とは、誰が相続できる権利を持っているのか調べることであり、調査方法は役場で取得した被相続人の戸籍謄本を確認して相続人を確定します。
相続人を確定できたら、相続する不動産の住所・地番・面積などを確認して特定しましょう。
確認方法は、固定資産税の通知書や不動産の権利書、もしくは役場で固定資産評価証明書や名寄帳を取得して確認してください。
必要書類や相続人、不動産の特定などが終わったら、相続登記の申請書に不備なく記載し、必要書類を添えて法務局の窓口へ提出します。
相続登記に必要な書類
相続登記に必要な書類は相続する状況によって異なりますが、その中でも特に重要書類の種類は以下の9つです。
- 登記事項証明書
- 被相続人の戸籍謄本(出生から死亡までを記載しているもの)
- 被相続人の住民票(除票されたもの)
- 相続人全員の戸籍謄本
- 遺産分割協議書
- 相続人全員の印鑑証明書
- 相続関係説明図
- 固定資産評価証明書
- 相続登記申請書
この他に、遺言書を残していれば遺言書を用意しますが、自筆証書遺言であれば家庭裁判所で「検認」してもらって検認の終了通知をもらわなければなりません。
相続の状況によって必要書類は異なるので不備のないように書類を収集しましょう。
自分で相続登記を行う際の注意点
相続登記を自分で手続きする際の注意点は、以下の4つです。
- 必要書類がそろっていない
- 申請書の記載内容に不備がある
- 自筆証書遺言の検認を受けていない
- 遺産分割協議書を作成していない
それぞれの注意点について解説します。
必要書類がそろっていなければ相続登記はできなので、必ず見落としがないか確認しましょう。
また、法務局の窓口では、申請書を提出した際に「ここに記載の不備があります」とその場で確認してもらえません。
そのため、記載に不備があると後日改めて連絡があり、法務局と何度もやり取りをするだけでも時間がかかります。
被相続人が自筆証書遺言を残していた場合、家庭裁判所で検認を受けていなければ相続登記は行えず、違反すると罰則が科せられるので注意してください。
相続人同士で遺産をどのように分けるのか話し合いにより決定した場合は、遺産分割協議書を作成しなければならず、遺産分割協議書がなければ協議内容は認められません。
まとめ
今回は、相続登記は自分でできるのかという疑問や手続きの流れなどについて解説しました。
相続登記の手続きは自分で行えますが、必要書類の収集や役場や法務局の時間内に出向いて対応するなど、ある程度時間に融通の利く方でなければ困難です。
そのため、相続登記に要する時間を確保できない方や法務局との対応に不安のある方は、登記の専門家である司法書士に依頼することをおすすめします。
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